約 3,520,597 件
https://w.atwiki.jp/oblivionlibrary/pages/240.html
人類の誕生以前 シムレーンのアイカンター 著 人類がタムリエルを支配するようになる前、または歴史学者たちがタムリエル支配者の出来事を記録した年代記より以前の世界の出来事は、神話や伝説を通して、もしくは神々しくも見事な九大神教団の教義を通してでしか知ることができない。 便宜上、歴史学者たちは先史以前をさらに2つの長い期間に分ける── 深遠の暁紀、そして神話紀である。 深遠の暁紀: 深遠の暁紀は人類の始まる前の、神々の偉業が起こっていた時代である。深遠の暁紀は、アダマンチンの塔を設立しようとする世界から神々と魔法が大量に集団流出して終焉を迎えた。 “Merethic”という言葉は、ノルド語の文字通り「エルフの時代」から来ている。神話紀とは、アダマンチンの塔を設立する世界から神々と魔法が大量に集団流出した後から、タムリエルにノルドのイスグラモルが出現するまでの先史時代である。 この後は深遠の暁紀でもっとも目を引く出来事、つまり我々のような時代の産物とされる生き物の出現が起こることになる。 宇宙はアヌとパドメイのオルビス(混沌、もしくは全体)から形成された。アカトシュ(オリエル)が生まれ、「時」が始まった。神々(霊)が生まれた。ロルカーンは神々を説き伏せ──もしくは欺き─ 定命の次元、ニルンを創造させた。定命の次元はこの時、魔力の高い危険な場所であった。神々が歩くと、定命の次元と永続する全存在物そのものが不安定となった。 「定命の世界」を設計する建築家、魔法(マグナス)はその計画を終結させることを決め、神々はアダマンチンの塔(ディレニスの塔、タムリエル最古の建造物)に集結し、なにをすべきかを決めた。魔法が世界を終結させると、ほとんどの神はこの地を去った。残ったものは自分自身をほかのものへと形成し、現在もその地(エールノフェイ)に留まっている。ロルカーンは神々から非難を受け、定命の異世界へと追放された。彼の心臓は引き裂かれ、アダマンチンの塔から投げられた。そのかけらが地に降り立つと、火山が出来上がった。魔法(深遠の感覚能力)により、宇宙は安定された。そこから最終型である11の歴史が始まった(神話紀2500年)。 神話紀: 初期のノルドの学者によって、神話紀の年月は「時の始まり」── キャモラン王朝の設立、第一紀の0年度と記録される── から後方へと逆順することが解明された。神話紀に起こった先史の出来事は、彼らの伝統的なノルドのエルフ日付で記されている。ハラルト王の学者たちによって引用されるもっとも最初のエルフ日付は神話紀2500年である。これをノルド人は最初の年とみなしている。このように、神話紀は一番古い年である神話紀2500年から神話紀1年── キャモラン王朝設立の1年前、独立する都市国家として白金の塔を設立── まで続いた。 ハラルト王の吟遊詩人によると、神話紀2500年にはハイ・ロックのバルフィエラ島にタムリエル最古の建物として知られるアダマンチンの塔の建設が始まった(これは数々の未未発刊のエルフ年代記に記されている、歴史的には大体最古の日付である)。 神話紀初期には、タムリエルの先住民にあたる獣人── カジート、アルゴニアン、オークそのほかの獣人の祖先── がタムリエルのいたる所、文字を持たない社会で生活していた。 神話紀中期には、アルドメリ(エルフの始祖である人間)の難民が、破綻の運命に追いやられた今はなきアルドメリ大陸(「旧エールノフェイ」としても知られる)を去り、タムリエル南西部へと移り住んだ。最初の居住地はタムリエルの海岸線に沿って、広い間隔を取って形成された。後に、タムリエル南西部と中心の方の肥沃な土地に最初の内陸集落が見つかる。獣人がエルフに遭遇し、その洗練された、教養のある、科学的にも発展したアルドメリ文化は、原始的な獣人をジャングルや沼地、山、荒地へと追いやった。アダマンチンの塔は突出して強大な力持つアルドメリ一族のディレニに再発見され、支配された。サムーセット島に水晶塔が建てられ、のちに、シロディールの白金の塔となった。 神話紀中期には、アルドメリの探検家がヴァーデンフェル海岸の地図を作り、第一紀にはハイエルフのウィザードの塔をモロウウィンドのアルド・ルダイニア、バル・フェル、テル・アルーン、テル・モラに建てた。白金の塔(現在のシロディール)のまわりのジャングルにアイレイド(野生のエルフ)の集落が栄えたのもこの時代であった。ハートランドハイエルフとしても知られる野生のエルフは、深遠の暁時代の魔法やエールノフェイの言葉を維持した。表面上、アリノール高王へ捧げられた土地であったが、サムーセット島の独立国とハートランドの長きにわたる関係が、事実上、シロディールを水晶塔にいる高王から引き離していた。 神話紀中後期は高貴なヴェロシ文化の時代であった。現代のダンマーやダークエルフの祖先であるチャイマーは、力強く、野望に満ち、長命なエルフの一族であって、原理主義な祖先崇拝を信奉していた。チャイマー一族は預言者ヴェロシに従い、南西部にあった代々受け継いだエルフの祖国を離れ、今のモロウウィンドに当たる土地に移り住んだ。チャイマーは現世的な文化やドゥーマーの俗悪な慣習を嫌い、またドゥーマーの土地と資産を欲しがったため、何世紀にも渡って小競り合いや領土争いが起こった。自由な発想を持ち、人里はなれたところに住むエルフ一族のドゥーマー(ドワーフ)は科学の謎や工学技術、錬金術に力を注ぎ、現代のスカイリムやモロウウィンドから離れた山脈(のちのヴェロシ山脈)に地下都市や地域社会を築き上げた。 神話紀後期はヴェロシ文化の急落が目立つ。ヴェロシの中には、傾き、放置された古代ヴェロシ塔のそばにある村に移り住むものもいた。この時代、ヴァーデンフェル島からヴェロシの文化は消え去った。ドゥーマーの初期のフリーホールド植民地国家がこの時代から起こり始める。堕落したヴェロシは部族文化へと移行し、やがて現代のモロウウィンドの王宮へと発展し、一方では野蛮なアシュランダー種族へと存続していった。この種族文化が唯一残したものは、ばらばらに崩壊したヴェロシ塔とヴァーデンフェル島のアシュランダー遊牧民である。タムリエルの海岸に沿って建てられた、第一紀ハイエルフウィザードの塔もまたこの時代に打ち捨てられることになった。 またこの頃、文字を持たない人々、いわゆる「ネディックの人々」がアトモラの大陸(アルドメリ語で「アトモラ」、もしくは「エルダーウッド」)から移住して、タムリエルの北部に定住した。ノルドの英雄、タムリエルへの巨大植民地軍の先導者であるイスグラモルはエルフ理念に基づいてノルド語のルーン文字を翻字、発展させたことで高い評価を得ている。またイスグラモルは人類初の歴史学者とも考えられている。イスグラモルの軍はスカイリムのブロークン・ケイプの最北端にあるヒサアリク・ヘッドへと上陸した。ノルドはそこに伝説都市サールザルを建てた。エルフは人間を「涙の夜」の時に追い出したが、イスグラモルはすぐに500の仲間を引き連れて戻ってきた。 神話後期にはまた、伝説となった不死の英雄で、戦士で、魔術師で、国王である、ペリナル・ホワイトストレーク、ハラルド・ヘアリー・ブリークス、イスミール、ハンズ・ザ・フォックスなどの名前で知られる人物が、タムリエルをさまよい歩き、武器を集め、土地を征服していき、統治し、そのあと自ら築いた王国をぶち壊し、再びさまよい歩くのであった。 歴史・伝記 茶2
https://w.atwiki.jp/socmyth/pages/480.html
オブリヴィオン(oblivion)は、英語で「忘却」、「無意識の状態」、「大赦」という意味。オブリビオン。 参考Webリンク oblivion - ウィクショナリー日本語版 oblivion - Wiktionary 作品 パズル ドラゴンズ オブリビオンノヴァ タグ 英語
https://w.atwiki.jp/guerrier/
Guerrier Guerrierクランについて。 10/25に作成されたばかりのクランです。 メンバーはほぼ非ガチ、学生が占めています。 新規のクランメンバーは、いつでも募集中です^^ Skype,VCは希望者のみです! ルール 最低限のマナーは守りましょう!
https://w.atwiki.jp/oblivionlibrary/pages/206.html
アジル・トラジジャゼリ 著者不明 この本は、くだらない本である。しかし、よく言われることだが、カジートらしさを感じさせるすべてのものと同じように、“gzalzi vaberzarita maaszi”、すなわち、「くだらないものが不可欠となった」のである。私が言うべきことのほとんどはこれまで文字にされてこなかったものである。よしんば文字にされていたとしても、誰も読めなかっただろう。帝都の民は後世のためにすべてを書き残しておくべきだと感じているが、エルスウェーアで生まれるカジートの子猫はみずからの歴史を知っている。母親のお乳といっしょに飲み込むのだ。 だが、ごく最近になって、貪欲なレヤウィーン伯爵の手から祖国を奪い返さんとするわれらの闘争が、われらの立場に同情的な人々を引きつけるようになってきた。その中には帝都の民もいて、われらの運動に加わりたいと切に願っているものの、どうやらわれらの流儀がわかっていないらしい。もちろん、われらの敵もわれらのことをわかっていないが、それはわれらの武器としてしまっておきたいところだ。しかしながら、カジートでないわれらの友人は、われらがどういう存在で、どうしてこうなって、どんなことをしているのか知っておくべきだろう。 カジートの心は内省するように設計されていない。われらは単純にやりたいことをやるし、世界がどうなろうと知ったこっちゃない。われらが哲学を言葉で伝えたり理論立てて説明したりするのはなじみのないことであり、この本を読んだところでわれらのことがわかるようになるとは保証できない。“Q zi no vano thzina ualizz.”、すなわち「矛盾を述べるとき、私は真実を語っている」という単純な真理をしっかりと理解していただきたい。 われらは、レンリジュラ・クリンである。「傭兵のニヤケ顔」、「土地ナシ小僧の笑顔」、「微笑むクズ」、どれもこれも妥当な翻訳であろう。軽蔑的な表現だが、面白いのでそのまま取り入れた。 われらは心では怒るが、顔では怒らない。エルスウェーアのために戦うが、われらの土地の象徴である“たてがみ”と手を組むことはない。正義を信じるが掟には従わない。 “Q zi no vano thzina ualizz.” これは掟ではない。タ・アグラには「掟」という言葉がないのだ。われらの“thjizzrini”すなわち、「浅はかな考え」とでも呼んでいただきたい。 その一 “Vaba Do Shurh do” すなわち、「勇ましいことはいいことだ」 われらはタムリエルの帝都そのものを敵にまわして無謀な戦いを挑んでいる。われらの大義は何よりも気高い「祖国防衛」である。しくじれば、われらは過去も未来も裏切ることになる。われらの死者は“Ri sallidad”、たいそう誤用が多いその言葉の意味をできるだけ正確に翻訳すると、“殉教者”である。われらは犠牲を尊び、笑顔の下では死者を深く悼んでいる。 われらの勇敢さは、われらの名にも含まれる「クリン」という笑顔に凝縮される。といっても、ヴァレンウッドのおつむの弱そうなサル顔のイムガのように、いつもにやにやしながら歩いているというわけではない。単純に、敵に楽しませていただいているのである。われらは公明正大な戦いなど退屈の極地だと考える。最後に勝つことがわかっているからこそ、われらは自信たっぷりに笑う。それから、われらの笑顔が敵の感情を逆なですることも知っている。 その二 “Vaba Maaszi Lhajiito” すなわち、「逃げることも必要」 われらはタムリエルの帝都そのものを敵にまわして無謀な戦いを挑んでいる。名誉とは乱心である。もちろん、われわれは帝都軍との戦いで勇気ある死を遂げたレンリヤラクリンを愛していたが、こうしたリ・サリダッドはみんな使いこなせなかった脱出路を持っていて、「くそ」とつぶやいて死んでいったと自信を持って言うことができる。 偉大なるセンシェ・ラートがサイミシル・ステップにやってくると、狩もできなければ眠りにもつけないことに気づくだろう。ちびのアルフィクが背中でぴょんぴょん飛び跳ね、咬みついてきて、センシェ・ラートがその立派な体でアルフィクと対峙しようと振り向いたとたんにすっ飛んで逃げてしまうからだ。しまいには、なんとしてもアルフィクを捕まえてやると息巻きながらも、センシェ・ラートのほうから去っていくのである。アルフィクはわれらの遠類で、レヤウィーンの巨大虎との対決では彼らの戦術を採択させていただいた。 撤退は汚辱だと考えるたくましい軍隊の一員になって決然と行進することに心底あこがれているなら、レンリジとは手を組まないほうがいい。われらは川辺のアシの草むらにすべり込み、避けられない殺りくを眺めながら、そうした自殺行為のような浅はかさを大笑いするだろうから。 その三 “Fusozay Var Var” すなわち、「人生を楽しむ」 人生は短い。近頃愛し合っていないという読者は、どうかこの本を置いて、早急にやっちゃっていただきたい。浮気娘でもやんちゃ坊主でもとっつかまえるといい。一人と言わず何人でも、あなたの賢明なる下腹部が望むようにやればいい。それから、いかなる状況においても、もったいつけたりしないように。軍隊とわれらの戦いは後回しにしたっていい。 よろしい。楽しんできたかな? われらレンリジュラ・クリンはともに生き、ともに戦う。レヤウィーンや帝都がすぐに、少なくともわれらが生きているうちに、折れるつもりはないことも知っている。与えられた時間においては、われらはもっとも近しい仲間がむっつりと、ぼんやりと、げっそりと、かっちりと、そしてバージンのまま生きていくのを見たくはない。そういうものが見たければ、帝都のブレイドにでも加わっていただろう。 われらのわいせつな冗談やべろんべろんに酔っ払った夜やムーンシュガーを、どうか嫌悪しないでいただきたい。これらはレヤウィーンがわれらに与えない喜び。だからこそ、われらは陽気さをこれっぽっちもないがしろにしない。 その四 “Fusozay Var Dar” すなわち、「迷わず殺せ」 人生は短い。ことのほか短い。レンリジュラ・クリンを欺いたことのあるものなら身に染みてわかっていようが。 われらは卑怯に戦う。敵と対峙すれば打算し、相手の剣が大きすぎるとみたらとんずらする。が、敵が背を向けていたら、私的見解では、ぶっ倒しておきたいところだ。それからそいつの首に飛びかかってへし折る。ぽきんという音がまた楽しい。もちろん、そうするもしないもあなたの勝手だし、こだわりのスタイルだってあるだろう。 その五 “Ahzirr Durrarriss” すなわち、「なんでも民に与えよ」 われらの目的を忘れないでほしい。われらは家族のために戦っている。太古より先祖の土地であった豊穣で肥沃なマカピ湖やマラピ川の沿岸地域から追いやられたカジートのために。われらの戦いはやつらの悲劇。やつらに思い知らせてやらねばなるまい。われらが戦っているのはやつらではないということを、ゆめゆめ忘れさせないように。 「たてがみ」も皇帝も伯爵も演説をぶちあげ、法を定め、公人として暮らしながら、避けられない革命を食い止めようと民にみずからの見解や哲学を説いて聞かせる。われらレンリジュラ・クリンのような法のしがらみのない組織では、行動をもって意見とせねばなるまい。激しく戦い、もうろくした敵どもをあざ笑っていればそれでいいというわけではない。その意味するところは、民と対話して味方に引き入れることである。われらは武力ではなく政治力で戦う。民が蜂起すれば敵はすごすごと引き下がるだろう。すなわち、われらの勝利である。 民になんでも分け与えるがいい。ゴールド、ムーンシュガー、それから強力な武器も。どこに隠れていようとも、彼らの心はわれらとともにあることだろう。 その六 “Ahzirr Traajijazeri” すなわち、「われらはまさしく力で奪う」 われらの目的を忘れないでほしい。われらは泥棒で悪党、密売人で破壊人なのだ。農場を奪えないなら、燃やしつくすまで。われらの祖先が愛した輝ける古代の砦から帝都兵が動こうとしなければ、砦をぶち壊すまで。レヤウィーン伯爵の背任から土地を救うたったひとつの方法が人の住めない土地にしてしまうことだったら、そうするまで。 われらはわれらの暮らしと故郷を取り戻したい。ちょうど二十年前のような時代を。が、それが現実的でないなら、もっと単純かつ実利的な目標に切り替えるまで。復讐するのだ。笑顔をひとつ添えて。 民族・風習・言語 茶2
https://w.atwiki.jp/oblivionlibrary/pages/34.html
神秘士ガレリオン アスグリム・コルスグレッグ 著 ヴァヌス・ガレリオンは血なまぐさい第二紀初頭にこの世に生を受け、トレシュタスと名づけられた。生まれながらにして、小貴族であるソリシチ・オン・カーのギャナッセ卿の屋敷に仕える農奴であった。トレシュタスの両親はごく普通の労働者だったが、父親はギャナッセ卿の掟に背いて読み書きを修得し、その息子にも学ばせた。ギャナッセ卿は、読み書きのできる農奴は自然への冒涜であり、貴族の立場をおびやかしかねないと聞かされていたため、ソリシチ・オン・カーの全書店を営業停止にしていた。ギャナッセ卿の敷地内をのぞいてすべての書籍商、詩人、教師は締め出されたが、それでもなお、小規模な密輸取引によってかなりの本や巻物が卿の目のとどかないところで流通していた。 トレシュタスが8歳のとき、密輸業者が捕まって投獄された。夫におびえる無学で敬虔なトレシュタスの母が密輸業者を裏切ったという説もあったが、他の噂もあった。密輸業者は裁判にかけられないまま、ただちに刑が執行された。ソリシチ・オン・カーでも数世紀ぶりの猛暑のなか、トレシュタスの父の死体は一週間も吊るされたままだった。 3ヵ月後、トレシュタスはギャナッセ卿の屋敷から逃げ出し、サマーセット島を半分ほど横切ったところにあるアリノールまでやってきた。トルバドゥールの一団が道端の溝にうずくまっていた瀕死の彼を発見した。看病によって回復したトレシュタスを下働きとして雇い入れると、彼に食事と部屋を与えた。トルバドゥールの一人である易者のヘリアンドがトレシュタスの精神力を試そうとしたところ、この恥ずかしがりやの少年は、その不遇ぶりにもかかわらず、尋常ならざるほど聡明で洗練されていることがわかった。アルテウム島で神秘士としての訓練を受けていたヘリアンドは、トレシュタスにどこか相通ずるものを感じた。 巡業でサマーセット島の東端にあるボタンザ村を訪れたとき、ヘリアンドは11歳になっていたトレシュタスを連れてアルテウム島に渡った。その島の魔術師アイアチェシスはトレシュタスの潜在能力を認め、徒弟として受け入れると、ヴァヌス・ガレリオンの名を与えた。ヴァヌスはアルテウム島で体と心の鍛錬にいそしんだ。 魔術師ギルドの初代大賢者はこうして育てられたのであった。アルテウム島のサイジックからは訓練をつけてもらい、欠乏と不公平の少年時代からは知識の共有という彼の哲学を学び取ったのである。 歴史・伝記 赤1 魔術師ギルド関連
https://w.atwiki.jp/tyrant/pages/695.html
Absorption Barrier 種族:Imperial パック:Flashpoint レア度:Rare 体力:8 待機:3 能力:RefreshProtect All Imperial 1Heal All Imperial 2 Flashpointパックから、またはMission 298クリア時の報酬として入手可能。 Imperialアサルトの耐久力をサポートするストラクチャー。 Absorption Shieldの見た目とサイズにRepair Bayの効能を混ぜたような性能をしている。 まず目を引くのが体力8+Refresh。分かりやすく「壊せません」と書いてある。 毎ターンダメージ量が3点相当減るので、これがかかったSTOVL CarrierやOspryは倒すのにも一苦労するようになるだろう。 ついでにProtectでダメージも軽減する。Fearを無視すればかなり強力である。Fearを無視すれば。 ただ、Imperialは回復に優れているため、Healは過剰気味かもしれない。これがRaiderだったら間違いなく壊れカードだった。 コメント コメント
https://w.atwiki.jp/oblivionlibrary/pages/180.html
ヴァイサーンの滅亡 第1章 ヴァイサーンの砦は、いかにして第1世代から第2世代へと経過し支配を確立したのか。 ディメンシャの泥から彼の砦を造るよう命じたヴァイサーン伯爵は、家臣として忠誠を誓う者は誰でも彼のもとへ集めた。近隣の狂信者の部族は、彼の土地や部隊を守るための家臣として団結した。このようにして、伯爵はアイルズでの日々を過ごしていった。彼と妻のマウェアン女伯爵の間には、ヴァイサーンの最初の息子と娘であるサーランとニーラが生まれた。 サーランの父と母は、サーランに政治力があれば必ずやシェオゴラスから権力を奪い、シヴァリング・アイルズに繁栄をもたらすことができると信じていた。一方ヴァイサーン伯爵は、自身と彼の相続人が疑う余地もないアイルズの支配者であると考え、シェオゴラスに挨拶することさえ拒んだ。 もちろんこのことで、マッドゴッドを無駄に面白がらせ、彼は死の運命のために嫌悪と辛苦しか与えられないであろうアルゴニアンの助産婦の娘シーン・イン・グレイドとサーランの結婚を許した。 シーン・イン・グレイドはアイルズの誰もが求めるほどの素晴らしい女伯爵で、彼女を迎え入れた家と伯爵に誇りと名誉をもたらしたいだけの者もいた。ディメンシャの中心で生活していたが、長い間、彼女の心は無垢なままであった。残念なことだが、シェオゴラス閣下の祝福なしにはアイルズに長くは住めない。シーン・イン・グレイドは伯爵である夫の不貞により、最後には瀬戸際まで追い込まれた。 サーランは異常なほどの縁故主義で、花嫁を含め血縁のない者は誰も信用しなかった。シーン・イン・グレイドは伯爵の息子(20歳でアイルズから姿を消した)を産んでいたが、サーランの被害妄想が進行するにつれて2人でベッドを共にする頻度は減っていったようである。彼は腕の中にいる妹ニーラが後継者であるセスリアンとの近親相姦で生まれたことを知った。個人的には、セスリアンの支配がヴァイサーンの滅亡につながったと記憶している。 第2章 セスリアン伯爵の誕生は、いかにしてヴァイサーンの輝かしく血みどろの儚い時代の到来を告げるのか。 狂暴で短気なセスリアンはいるはずもない敵を探し求めた。彼がヴァイサーンに君臨して間もない頃、砦から見える人間、メル、獣といったあらゆる種族が、1人残らず虐殺されるのを見た。 彼の短い支配の間、ディメンシャ南東の海岸線の多くは旅をするのに安全ではなく、ヴァイサーンの地には立ち入った者の死体が散乱していて、土地の目印として木の柵が立てられていた。ヴァイサーンのセスリアン伯爵は、残酷な気性だけでなく頭の回転が遅く病弱であることも知られていた。 事実、セスリアンは長さが不釣合いに見える足と耳障りな音でつらそうな呼吸をして生まれてきた。若い頃、家庭教師はその頭の鈍い子を教えるのに四苦八苦していた。周りにいた助産婦と看護婦はアイルズの到る所から手に入れた香油や吸入薬を使ってあらゆる病気に気を付けていたが、彼が成人した時に皆追い払ってしまい、それがもとでしばしば暴力的になった。 おそらく父親の影響だろうが、セスリアンはますます内向的になっていき、選ばれた数人の取り巻きだけが彼の近くにいることを許されていた。彼は地方を襲撃するために家臣の狂信者を組織する時にだけ人前に姿を見せた。 相談役がとにかくしつこく必死に忠告したために、セスリアンは略奪に妻を連れて行き、ヴァイサーンの壮大な防衛線を守ることを躊躇した。だんだん病気がひどくなる伯爵はマニアの荒野にある異端者の地区から、婚約者として活気にあふれた農民の女を選んだ。事実、ジディーン女伯爵はこれ以上ないほど彼とは正反対だった。ヴィトラエン伯爵と彼らの祖先との契約に長く忠実だった家臣の狂信者はこの異端者に激怒し、緊張状態が高まってセスリアンの健康も衰えたので、彼の若い息子のシリオンがヴァイサーンの王位に就いた。 第3章 対立は、いかにしてヴァイサーンを悩ませ、平和的なシリオン伯爵を圧倒したのか。 若きシリオン伯爵は、ヴァイサーン砦の外壁で行われた急な即位式までは人前に姿を見せることがほとんどなかった。式典の間中彼の父親の弱った手で殴られた傷にじっと耐えていたと言う者もいる。シリオンは統治するのに十分な年頃で、その穏やかで控えめな物腰は家臣一族の間の緊張関係を緩めるのには十分だったかもしれないが、彼の母親のジディーン女伯爵は夫が長い間放置してきたたくさんの職務を負わせようとした。 誰に聞いても、ジディーンは女伯爵として適していて、皆に愛されていた── しかし家臣の狂信者の指導者は彼女がマニックから受け継いだものに対する、漠然としたこれらの個人的で無礼な感情を抑えることができなかった。彼女の非常に巧妙な外交策にもかかわらず、彼女に対する敵意は根深く、年々高まっていった。家臣達が長い間誓約に忠実であり続けたのは賞賛すべきことだろう。 シリオンが支配できる年齢に達した時、おどおどした男の子であった伯爵は潔く王位に就くため熱心に取り組んだが、世界に対する彼の恐怖は、あまりにも大きく通り過ぎる鳥の影にさえ驚いてしまうほどだった。彼は公衆の面前での演説はほとんどできなかった。彼が家臣達── まだ彼女の母親の受け継いだものに激怒している── を静めようとしていた時、恐怖に耐えられず、玉座の間から逃げる直前、自身を汚物で汚してしまったと言う者もいる。 運命の進行と同様に、狂信者の家臣達は耐え切れず、戦士達はヴァイサーンを包囲した。伯爵の個人的な護衛では攻撃を退けるには不十分で、包囲は丸1日続いた。その戦いの日以来、生ける魂がヴァイサーンから離れることはなくなった。一部の神話では狂信者の家臣達とヴァイサーンの貧弱な守り手達の魂の間では絶えず争いがあり、狂信者の裏切りとシリオンの臆病による呪いで永久にその最後の瞬間を繰り返していると言われている。 SI 歴史・伝記 茶3
https://w.atwiki.jp/oblivionlibrary/pages/262.html
不死の血 著者不明 月も星も姿を隠していた。特別静かな夜がいっそう沈んで感じた。街の衛兵は松明なしには巡回もままならなかった。だが、私の聖堂を訪ねてきた男は灯りを携えてはいなかった。やがて気づいた。モバース・ピクインは夜でも昼と同じように見ることができる。素晴らしい才能だった。彼がことのほか夜行性であることを考えたら。 侍者のひとりに連れられてやってきた彼を見たときに、まず、すぐにでも治療しなければと感じた。青白いどころかオパールのような顔色をしていた。耐えがたき苦しみに襲われ、かつての男ぶりの良さが抜け落ちてしまったような顔だった。目のまわりにできたくまが疲労の激しさを伝えていたが、瞳そのものは鋭く、真剣であった。 私の懸念を感じ取ったかのように、彼はすぐさま自分は病気ではないと告げた。それ以上、突っ込んで話そうとはしなかったが。 「バンパイアさ」と彼は言い、私がいぶかしげな顔をしたのを見て、一旦、言葉を切った。「こういうことで力になれるのはあんたしかいないと言われた」 「誰から聞いたのかね?」と、私は笑みを浮かべて訊いた。 「ティシナ・グレイだ」 彼から答えを聞く前から、すぐに彼女だとわかった。勇気と美貌を兼ね備えた騎士で、バンパイアにまつわる虚構から真実をより分ける手助けをしてほしいと頼まれたことがあった。あれからもう二年になるが、音沙汰がなく、私の助言が役立ったのかどうかはわからずじまいだった。 「彼女に会ったのかな? 元気にしてたかね?」と、私は訊いた。 「死んだ」と、モバースは冷淡に言った。と、私がうろたえるのを見るや、緩衝材となるような言葉を継いだ。「あんたの助言はすこぶる効果があったと言ってたよ。少なくとも、あるバンパイアに対しては。最後に話したとき、彼女は別のバンパイアを追ってた。そいつに殺られたんだ」 「となると、私の助言は充分でなかったわけか」私はため息をついた。「なら、どうしておまえには効果的だと考えるのかね?」 「おれはかつて教師だった。昔の話だ」と、彼は言った。「大学とかじゃない。戦士ギルドの訓練師だった。が、生徒が正しい質問をしなかったのなら、失敗したとしても教師に非はないことくらいはわかってる。おれは正しい質問をしようと思う」 そして彼はそうした。何時間ものあいだ、質問を投げかけてきた。私はわかる範囲で答えてやった。が、彼が自分自身のことを率先して話すようなことはなかった。笑うことも。ひたすら鋭い目つきで私の顔をながめ、私が口にする一字一句を記憶にとどめようとしていた。 彼の質問が途切れ、ようやく私が質問する番がめぐってきた。「戦士ギルドの訓練師だったと言ったが、ギルドのためにやっていることなのかね?」 「いや」と、彼はぶっきらぼうに言った。そしてとうとう、私はその熱心な眼差しにいくばくかの疲れを見てとった。「この続きは明晩にしよう、あんたさえよければ。少し眠って知識を吸収しないといけない」 「昼間は寝るのか」私は笑った。 驚いたことに、彼が笑い返してきた。いかにもぎこちなかったが。「獲物を追うときは、獲物の習慣に合わせないといけないからな」 翌日、彼はさらなる質問を抱えて戻ってきた。その内容はかなり具体的だった。彼が知りたがっていたのは、東スカイリムのバンパイアのことだった。私は最強の種族である執念深くて残虐なヴォルキハーのことを教えてやった。その息で獲物の血を凍りつかせるというバンパイアのことを。彼らがどうやって辺ぴな呪われた湖の氷の下で、食事どき以外はあえて人間界に降り立つこともなく暮らしているのか話した。 モバース・ピクインはじっくりと耳を傾けていた。夜にかけてさらに質問をぶつけ、ようやく引き揚げる気になったようだった。 「数日は会うこともないだろう」と、彼は言った。「が、おれは帰ってくる。情報がどれほど役に立ったかをあんたに伝えるために」 それから四日後の深夜を少し過ぎたころ、約束通り彼は聖堂に戻ってきた。頬にまだ新しい傷を負っていたが、あの不気味だが満足げな微笑みを浮かべた。 「あんたの助言はとても役立ったよ」と、そう言った。「けど、ヴォルキハーにはあんたが言わなかった能力が備わっていたことを知っておくといい。やつらは湖の氷を割ることなく水中へ引きずり込もうとしてくる。何の前触れもなく下からいきなりつかまれたもんで、嫌な汗をたっぷりかかされたよ」 「そいつはすごいな」と、私は笑いながら言った。「そして、恐ろしくもある。まだ生きてるとは運がいい」 「運など信じない。信じるのは知識と訓練だけだ。あんたの情報は役立った。そして、おれの接近戦の技術があの吸血鬼の運命に破滅をもたらしたんだ。おれはどんな武器も信用しない。どんなに腕のいい刀匠でも、傷のある刀を造ることくらいあるだろう。だが、自分の体ができることならよくわかる。体勢が崩れるまでに無数の打撃を浴びせられることはわかってる。先手をとれたらの話だが」 「先手をとれたら?」と、私はぼそっと言った。「つまり、虚を突かれるわけにはいかないのか」 「だからあんたに会った」と、モバースは言った。「この世であんたほど、あの怪物のことをわかってる人はいない。各地のいまいましい変種のことにも詳しい。さてと、北ヴァレンウッドのバンパイアことを聞かせてくれないか」 私は希望をかなえてやった。今回もまた、彼の質問に私の知識は悲鳴を上げた。話しておくべき種族はいくつもあった。ろうそくの火で照らさないかぎり、ボズマーと見分けがつかないボンサムのこと。肉体を霧状にすることができるキーリルスのこと。人を丸呑みするイェケフのこと。子どもを食らう恐ろしいテルボスのこと。彼らはやがてその子に成りすまして家庭に入り込み、何年も辛抱強く待ってから、尋常でない飢えを満たすために皆殺しにするという。 またもや彼は数週間で帰ってくると約束して別れを告げ、またもやその言葉どおり、数週間後の深夜過ぎに戻ってきた。このとき、モバースは生傷こと作ってはこなかったものの、やはり新たな情報を仕入れてきていた。 「キーリルスは、水に突き落とされると霧状に変化できないというのは誤りだった」と彼は言い、親愛の情を込めて私の肩をぽんと叩いた。「幸いにも、やつらは霧のままだと遠くへは行けないんだ。で、首尾よく追いつめることができた」 「バンパイアもさぞかし驚いたことだろう。おまえの実践的知識はますます磨きがかかっているな」と、私は言った。「数十年前におまえのような侍者がいてくれたらよかったのだが」 「さて、教えてもらおうか」と、彼は言った。「シロディールのバンパイアのことを」 私はできるかぎりの知識を与えた。シロディールに生息するバンパイアは一種族のみ。帝都がそうしてきたように、すべてのライバルを蹴散らしてきた強力な一族だと。やつらの本当の名前は歴史に埋もれてしまってわからないが、潜伏の達人であるらしい。満腹であるかぎり生きている人間と見分けがつかない。属州のバンパイアと比べると教養があり、文明化されていて、獲物が寝入っているところを闇討ちするという。 「不意を突くのは難しそうだな」モバースは顔をしかめた。「だが、きっと見つけだして、わかったことをあんたに報告しよう。そしてら今度はハイ・ロックのバンパイアについて教えてもらう。それからハンマーフェルとエルスウェーアとブラックマーシュとモロウウィンドとサマーセット島のバンパイアのことも。いいな?」 私はうなずいた。この男は終わりなき旅を続けているのだ。真実のひとかけらを手にしただけでは満足できない。そのすべてを手にしたいのだから。 ひと月たっても彼は戻ってこなかった。ようやく帰ってきたその夜、その顔は落胆と失望に満ちていた。聖堂に火は灯っていなかったが、私はそれを見てとることができた。 「しくじった」と彼は言った。私はろうそくに火をつけた。「あんたの言うとおりだった。どこにも見つからなかったよ」 私はろうそくを顔のあたりまで持っていき、微笑んだ。彼は驚いた。私の顔色の悪さに、私の永遠の瞳に浮かぶよこしまな渇望に、そして私の牙にぼう然としていた。そうだとも。虚を突かれることの許されない男でも、この牙にはすこぶる腰を抜かしたことだろう。 「七十二時間ほど食事をしてなくてね」私はそう言いながら襲いかかった。モバースは先手を打つこともとどめを刺すこともなかった。 小説・物語 茶2
https://w.atwiki.jp/oblivionlibrary/pages/130.html
カエルからヒトへ ミーカス・ラルブレック 著 グラマイトの一生はかなりユニークである。この生物は奇怪な蛙のように見え、直接証拠を握っているわけではないが、アルゴニアンの遠縁の親戚である可能性さえある。グラマイトの幼生は、そのあたりにいる蛙のように卵から生まれ、水中や水辺で見られる。卵からは小さなオタマジャクシが生まれるが、どれも私の手よりも小さい。 オタマジャクシは急激に成長し、2、3週の内に手足が生えて、水陸両性のバリウォグへと変貌する。バリウォグは2年程で、体長も体重も人間より大きくなる。 やがて大人となったバリウォグは、深い水辺を探し求め、その泥の中へその体を埋めようとする。そして何ヶ月もそこで休眠して、グラマイトを身ごもる。正確な妊娠期間を調べることはできなかったが、グラマイトは泥の中から完全な成体として現れるのである。 新しく生まれたグラマイトは、水辺から離れることなく相手を見つける欲望に駆られる。その後、メスは卵を産みつけるために水辺を離れる。卵は水棲の捕食者に食べられないように、またオタマジャクシが殻を割った後水中に飛び込めるように、水面からいくらか上に産みつけられる。 メスは一旦卵を産み付けたら、それらを見放してしまう。遠く離れるわけではないが、水中より地上で生活を送っていく。オスの配偶者を求める欲望も半年から1年の間に収まる。オスも地上へ上がり、メス同様に卵を守ろうとはしない。 成熟したグラマイトはある種の原始的な文化を持つ。クラフテン・ハイブロウはグラマイトは宝飾品や武器、鉱石の採掘までこなす優秀な職人であると主張しているが、全くもって馬鹿げている。私はまだ彼らの道具や宝飾品の出所を明かせないでいるが、他の文明をもった種族との交易で手に入れた物だと確信している。 魔法を唱えるグラマイトの話についてはどうか。これは更に馬鹿げている。彼らの原始的な脳は驚くほど大きいものの、明らかに彼らは秘術の技を学び取れるほどの知性を備えてはいない。クラフテンがいかにしてペットのグラマイトに呪文を教えたのかは私の知るところではないが、これは実際何らかのトリックの類であると、読者の皆様すべてに保証しよう。 SI 生物学 緑2
https://w.atwiki.jp/oblivionlibrary/pages/165.html
雪の王子 地に落ちる (白眼のイングヤルダー族長に仕える年代記編者のロックハイムによって書き写されたモーズリング戦記である) 彼が何処から訪れたのか我々は知らなかったが、彼は青白く素晴らしい軍馬に跨り、戦場へと乗り込んだ。エルフ、我々は彼をそう呼んだ、確かに彼はエルフだったが、その日まで我々が目にしてきた彼の同種とは異なっていた。彼の槍と鎧は未知のマジカによる明るく恐ろしい輝きを帯びていて、見事に着飾った正体不明の騎手は戦士よりも大きく見えた。 その時我々を最も悩ませ、否、驚かせたのはエルフの隊列から沸き起こった歓声だった。それは恐怖や驚嘆ではなく、呪われた者が人生のやり直しの機会を与えられたときに感じるような、臆面もなく解き放たれた歓びだった。それはソルスセイムにおける数多くの小競り合いの中でも、最もエルフ達の命運尽き、死に瀕しているときであった。モーズリングの戦いは、我らのこの美しい島におけるノルドとエルフの最終戦闘となるはずであった。イスグラモルを旗頭に、忌まわしいエルフたちをスカイリムから追い払い、ソルスセイムからも彼らを駆逐するつもりだった。ノルドの職人たちが鍛造し得る、最高の斧と刀剣で武装した我らの戦士は、敵の隊列に鋭く切り込んだ。モーズリングの丘はエルフの血で赤く染まった。なのに、なぜ我らの敵は歓んでいるのか? 一人の騎手が、絶望した軍にそれほどの希望をもたらせ得るのか? 我が種族の大多数にとって、その喚声の意味は明らかであったが、その言葉はエルフたちによって連呼される、エルフの歌の文句や雄叫びに過ぎなかった。しかしながら、我々の中にはその文句を十分に理解している学者や年代記編者がおり、その重大性に身を震わせた。 「雪の王子は到来せり! 破滅の時迫れり!」 水を打ったような静けさが、いまだ立っているエルフたちを包んだ。まるで船がフィヤルディングの氷海を切り進むように、雪の王子は群集の只中を疾走し、同族の隊列を分け進んだ。堂々たる白馬は駆け足から小走りへと速度を緩め、気味が悪いくらいゆっくりと隊列の先頭へと進んできた。 ノルドの戦士はその流血と戦闘まみれの生涯で様々な体験をするため、武装戦闘の中で何がおきても驚くことは稀である。しかし、あの荒れ狂う戦場が突然静止して静まり返ったことによってもたらされた、畏怖と不安感を想像できた者は極少数であったでろう。雪の王子が我々に与えた効果がそれであった。エルフの喜びに満ちた叫びが終わると、孤独な眠りの中でしか知られていない静けさが漂った。エルフとノルド、お互いの軍団がそれぞれ同じ理解で結びついたのはその時だった── その日のモーズリンク山の丘においての勝利も敗北も、たいして重要ではないということに。全員が共有した唯一の真実は、勝者であろうと敗者であろうと、その日は大勢が死ぬということだった。類を見ないエルフ、光り輝く雪の王子はその日、我が種族に死をもたらしに来たのだ。そう、大いなる死を。 旅人の視界を遮り、頑丈な館の土台さえも崩しかねない唐突な激しい吹雪のように、雪の王子は我ら大勢の中に飛び込んできた。確かに、彼の命令に応ずるが如く、氷と雪が彼の周りを乱れ飛んだ。光り輝く槍の回転は、雪の王子の前に立ちはだかった者に葬送歌を奏で、我らの最強の戦士たちはその日、彼の前に倒れた。(アンヴィルハンドの)ウルフギ、(白の)ストロム、(オークワンドの)フレイダ、(激高の)ヘイムダル。彼らは皆、死してモーズリング山麓に横たわっている。 その日初めて、実際に戦いの流れが変わった。雪の王子の行動に刺激されたエルフ達は、我らの隊列に最後の突撃を仕掛けるために集結した。その時、その一瞬でモーズリングの戦いは、突然で予期せぬ幕切れを迎えた。 ジョフリオールの娘、母親の従者でたった12歳の少女フィナは、彼女の唯一の親である母親を雪の王子が切り殺すところを見ていた。フィナは憤怒と悲しみから、ジョフリオールの剣を拾い、母親の仇に向けてどう猛に投げつけた。彼の輝く槍が死の舞いを止めたとき、戦場は静寂に包まれ、皆の視線が雪の王子に向けられた。その日、皆が目にしたその光景で一番驚いたのは彼自身であろう。なぜなら、雪の王子はジョフリオールの剣を胸深く突きたてたまま、馬上に座っていた。そして馬から、戦闘から、この世から、落ちた。雪の王子は一人の子供によって殺され、死に伏せていた。 彼らの救世主が敗れ、残されたエルフ戦士たちの戦意は失われた。多くは逃げ、戦場に残った者は皆、程なくして我らがノルドの大斧で切り倒された。日が暮れたときには、戦場の悲惨さしか残されていなかった。そしてその戦場では、雪の王子の華やかな鎧と槍が今なお輝き、その武勇と手腕をかすかに思い起こさせた。死してなお、この並外れた正体不明のエルフは我々を恐れさせた。 敵の亡骸の火葬はよく行われる。死は疾病や不安をもたらすため、これは習慣であると同時に不可欠なことでもある。我々の族長たちは、生死を問わずソルスセイムからエルフの群集を追い払いたいのだ。しかし、雪の王子はそのような運命にあらずと決められた。戦いでは並外れ、同族に愛されていた彼はもっと良く扱われてもいいはずだ。死していても、たとえ我ら民族の敵であっても。 よって我々は上質の絹で包まれた雪の王子の亡骸を、盛ったばかりの塚へと連れてきた。光り輝く鎧と槍は栄誉の台座に飾られ、貴族の墓にも等しい数々の宝で飾られていた。このエルフにこれ程の敬意を払うことに関して、族長たちは全員賛成した。彼の亡骸は、大地が許す限りその塚に保存されるが、ノルドの死者のみに許された、スタルリムの加護は与えられない。 これにてモーズリング戦記と地に落ちた堂々たる雪の王子の記録を終わる。彼に神の栄誉を、そして我らが生涯二度と彼のような者に会わないことを願う。 歴史・伝記 茶2